ウールブレスは水害に強かった

2004年に発生した新潟県中部の7.13豪雨災害
新潟県中部の三条市・中之島町を中心とした「7.13豪雨災害」は家屋の全半壊もさることながら、長い間家屋が泥水につかることにより「水に弱い家電や新建材が使いものにならない」という事態を招いていた。
グラスウールの入れ替えが悩み
今回の水害で「乾燥させてそのまま使うか、入れ替えなければならないのか」悩みとなっているのが断熱材のグラスウール、ロックウール。両市町は「グラスウールやロックウールの断熱材が圧倒的に多い」というが、その断熱材も泥水につかり泥水を吸い込むという異常事態におかれ「繊維や空気層が空気のかわりに水分を含んで溜め、その水分がそのまま残ってしまう」ケースを生んだ。断熱材を取り出して手で絞ると泥の混じった水がドッと落ちる現象がアチコチで見られた。
持ち出された断熱材
原型をとどめない断熱材

両市町や三条市設計協同組合、同建築組合等では「床下や壁の中をとにかく時間をかけて乾燥させて」と呼び掛けてきたが、いったん水を含んだ断熱材はなかなか水分が抜けないのが実情という。

このため「予算が許すなら水に強い断熱材を入れ替えた方がいいと被災者に話すようにしている」と建築組合の梅田さん。

ところが年金生活のお年寄りは「生活必需品の家電製品の買い換えも迫られお金の余裕がない。とても家屋の改修まで手が回らず、改修しないでそのまま使いたいという相談が多い」(設計組合の山田さん)というのだ。こうした悩みは今のところ消えそうにない。

水害に強かった羊毛断熱材
今回の水害に強みをみせた断熱材もあった。羊毛断熱材がそのひとつ。数はごくわずかだが、最近の住宅には水に強い断熱材として使用されるケースもでてきた。昨年新築したS邸もその一例。

S邸の内装を剥いで中を見ると「泥水を吸った羊毛はその泥水が下に流れて床のところにたまっていた。上の部分は乾いて泥も水分といっしょに下に流れたようできれいだった」(S夫人)。
水に強い羊毛断熱材

このため「下の一部分だけカットして取り替え、上はそのまま生かす」という修復工事で済むことが分かり、S夫人は「昨年買ったキッチンセットや大型冷蔵庫もダメになったし、エアコンの室外機もイカレてしまった。生活必需品の買い替えで大きな出費がいるなかで、修復工事の費用が少なくて済むことは不幸中の幸いだった」と話す。

その羊毛断熱材をS邸に納めた新潟センチュリー(株)の坂上泰三さんは「水に強いウール(自然素材)のもつ力を改めて実感した。初期の投資は少しかかっても今回のような水害が起きると返って安上がりになる。住宅も一生のなかでなにが起こるか…その時に備える意味でもムクの木や自然素材を見直すとき」と指摘する。

ウールは濡れても乾きが早い >>

水に強い断熱材の報道記事を見る(新建ハウジング 2004年8月10日 第300号)

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